慶應義塾大学SFC奥田敦研究会

Prof. Atsushi OKUDA's Laboratory for Arabic Islamic Studies

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イスラーム×お金の可能性の探求

突然ですが、「良いお金」と「悪いお金」と呼ばれるものは、何が違うのでしょうか?その答えは千差万別でしょう。1つの考え方として、本当は「良いお金」や「悪いお金」という概念は存在せず、使い方に善悪があると考えることができるのではないでしょうか。

現在イスラームでお金の研究と言えば、「イスラーム金融」という分野が広く認知され研究が行われ、欧米や中東の金融機関を中心に実際に商品化もされています。身近な事例では、日本の損害保険会社もタカフルという保険分野でイスラーム金融に参入しています。しかし、シャリーアに適格な金融商品の開発等が主眼に置かれており、もう一歩マクロな視点つまり「お金の使い方」に関する研究は今一歩立ち遅れている状況にあります。

そこで、私たち奥田敦研究会では、2012年春学期より「ハラール・ライフプランニング」プロジェクトを立ち上げ、個別の金融商品より大きな視点でイスラームにおけるお金の使い方を研究しています。また、本プロジェクトの特徴として、イスラームからの視点に加えて、ファイナンシャルプランニング(以下、FPと略記)という視点からのアプローチも行なっています。イスラームとFPの両方向からアプローチすることにより、実践的かつイスラームに即した形でのアウトプットを提示していきます。

社会の問題としての「お金の使い方」

「お金の使い方」は、個人の問題ではありません。お金を受け取る/支払うというった交換の連鎖から社会の一側面を読み解くことができます。先行き不透明で金融システムのみが発達した社会において、私たちの現代的かつイスラーム的視点での「お金の使い方」が果たす役割は大きいと考えています。本プロジェクトを通じたアウトプットを世に問うことで、個人の「お金の使い方」をより良いものとし、社会全体としてあるべき姿の資金循環を生み出すことを目指しています。

また、「お金の使い方」は投資や消費といった経済活動を通じて、生き方にも直結しています。「良いお金の使い方」を切り口として、「良い生き方」の探求も行なっていきます。そのような意味も込めて、本プロジェクトの名前を「ハラール・FP」ではなく「ハラール・ライフプランニング」としています。

活動内容

2012年春学期は、既に多数出版されているお金に関する本15冊程度を題材に、そこで述べられているエッセンスの抽出を行いました。今後、ここから読み取れる現代的な文脈での経済的な成功要素(とされるもの)に対し、イスラーム的な文脈からの分析を行なっていきます。

また、必要に応じてイスラームあるいは金融に関する文献の購読も実施していく予定です。