慶應義塾大学SFC奥田敦研究会

Prof. Atsushi OKUDA's Laboratory for Arabic Islamic Studies

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「ハラール」と「ハラーム」とは?

「ハラール」とは、「一切の制限なく許されているものごと。立法者アッラーがその実行を許した行為」を指します。その反対概念である「ハラーム」は、「立法者が絶対的に禁止したものごと」であり、「その禁止を犯した者は来世におけるアッラーの懲罰を受けることを免れないとされ、現世においても法(シャリーア)的な処罰を科され得る」とされます[1]。

イスラーム教徒の方が酒や豚肉の摂取を控えることについては、ご存じの方も多いと思いますが、それは、酒や豚肉が、「ハラーム」とされるためです。また、これは食べ物に限った話ではなく、例えば、殺人や盗みなどもハラームとされています。「ハラール」と「ハラーム」は、イスラーム教徒の生活を規定する非常に重要な概念だと言えます。

 


[1]  يوسف القرضاوي، حلال وحرام في الإسلام، مكتبة وهبة، 2007م(الطبعة التاسعة والعشرون)، p.10.

(ユースフ・アルカラダーウィー『イスラームにおけるハラールとハラーム』ワフバ出版社、2007年(第19版)、p.10.)

ハラールとハラームプロジェクト

日本には、現在、外国人を合わせて10万人のイスラーム教徒がいるとされ、今後更なる増加が見込まれています。しかし、日本は、イスラーム教徒にとって、暮らしやすい国であるとは言い難いです。例えば、日本の一般的なレストランでハラールな食事を食べることは難しいと言えます。そもそも、日本には、ハラールとハラームに関する網羅的な情報はなく、WEB上に、断片的で紛らわしいな情報も少なくありません。しかし、ハラールとハラームは、イスラーム教徒にとって、衣食をはじめ、生活全般を規定する大切な概念です。日本人の側も彼らの生活の軸をなすハラールとハラームについて理解する必要に迫られています。

奥田研究会は、ASPでイスラーム教徒の学生を招聘するにあたり、その生活サポートのためにハラール食品、ハラールレストランに関する調査と情報の蓄積を、長年行ってきました。そして、外部の食品輸出関連会社からの要望もあり、その蓄積された情報を元に、ハラールとハラームに関する情報を体系化すべく発足したのが本プロジェクトです。

本プロジェクトの活動

・ハラールとハラームに関する理論体系の学習

現代イスラーム世界を代表する法学者ユースフ・アルカラダーウィー著『ハラールとハラーム』 をもとに、ハラールとハラームに関する理論を学んでいます。

・フリーペーパー『ハヤート』の発刊

「ハラールとハラームを切り口に、生活レベルのイスラームに関する正しい情報を広める」という目的を掲げ、フリーペーパー『ハヤート』を発刊しています。「ハヤート」とは、「生活」や「暮らし」を表すアラビヤ語です。この雑誌名には、宗教や言語、文化や伝統の違いを乗り越えた新しい暮らし作りを考えていこうという意味が込められています。

本誌では、その新しい暮らし作りを考えるヒントとなる特集記事を掲載しています。また、毎号、ハラール企業、ハラールレストラン、ムスリムインタビュー、アラブ文化、奥田教授エッセイ、ハラール食品の見分け方、アラブ料理のレシピなどを連載しています。

以下リンクをクリックすると、ハヤートのPDF版をご覧になれます。

ハヤート1号 ハヤート2号 ハヤート3号 ハヤート4号 ハヤート5号←NEW!

食品関係のデーターベースの構築:(準備中)

大学生協へのハラールメニューの導入:(準備中)

SFCにも、留学生を含め、多くのイスラーム教徒がいます。イスラーム教徒の方々が安心して食事を楽しめるよう、生協へのハラールメニューの導入を計画しています。